どうも、冬花です。
闇営業~宮迫さん・亮さんの会見問題を受け、「スッキリ」で司会の加藤さんが吠えました。
狂犬・加藤健在といった感じでしたね。
男気に溢れ、とても勇気ある発言であり、カッコよく映りました。
でも。
ちょっと違うかなーというのが僕の感想です。
大崎会長、岡本社長の体制。
ヘタなことを言ったら怒られる・潰されるという恐怖で何も言えなかった。みんなそれを我慢してここまで頑張ってきた。
……と仰いますが、そんなのはどこの会社も似たり寄ったりです。
たしかに加藤さんは当事者であり、長年やってきて大勢の仲間の意見を聞いたり、実際にひどい場面を見たりもしてきたのでしょうから、発言の信憑性は高いと言えるでしょう。
が、怯えながら我慢して頑張ってきたというのは加藤さんの主観の域を超えません。
それを、「みんな」という表現でもって、いざ恐怖政治に立ち向かうかのようなスタンスはどうなんでしょう。
ドライですが、恐怖に耐えられないなら辞めればよかっただけの話です。
無理強いなんてされてないでしょうに。
ひどいギャラの話なんかもそう。ビートたけしさんでさえ、最低限の保証をしてやれよ、等とコメントなさいました。
が、これも、耐えられない・納得できないならその会社の所属を辞めればいいだけの話です。
稼げない代わりに、吉本のブランド力のおかげで仕事にありつける側面もあるでしょうし、キングコング西野さんも言ってましたが、場合によっては赤字の仕事なんかもあることでしょう。
そんなこんな考えると、吉本と芸人とは、持ちつ持たれつの関係なのだと思えます。それに売れたら売れたで、法外な給料を得ることだってできるわけですし。
それを夢見て頑張れてる部分、きっとありますよね。
それにそのような大変な世界は芸人に限りません。
画家、ミュージシャン、作家、漫画家、映画監督、アニメーター、などなど。みんな食えないです。
(僕の小説だって一部270円。引かれて僕の手取りいくらだよって話です。好きな文章で食っていけないからサラリーマンやってるわけで)
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やりたいことをやって食ってくって大変なわけです。
続ける奴は続けるし、無理だと思った奴は辞める。食えなくても続ける奴もいるし、食えてても辞める奴だっていることでしょう。
たったそれだけの話です。
ワイドナショーで東野さんが言ってたとおり、ギャラ問題については、「この期に及んでこんなこと言うのもなんだけど吉本はそういうもの」だと言って片付けていい問題のように思ってます。
契約書を取り交わしてないとかいう問題にも言えます。
専門家がどのようは見解を寄せるかはわかりませんが、契約や約束を反故にしたのならともかく、そうでないのなら、そのようないわゆるブラック的な状況下を受け入れてしまってる芸人サイドにも問題があるわけです。
だからここぞとばかりに一斉に会社を叩き始めるのはどうかと思います。
そして加藤さんの発言に戻りますが。
会長、社長をはじめとした経営陣が辞任し、刷新しなければ変わらない、と仰ってましたが、経営陣刷新で何がどう良くなると言うのでしょうか。
アイツは問題だから切ってしまえ! と言ってるだけであり、何がどう良くなるのかが不透明です。
根拠もよくわからないですし、イチ所属タレントがそれが最適解だと断言するのもよくわからない。
アイツは問題だから切ってしまえ! と入江さんや宮迫さんを切った会社と同じことをしてしまってる。
権力者と所属タレントでは力の差がある、事実「オレにはその力がある」というコメントは確かにありましたが、他方、相方・山本さんをずっと守ったのもまた会社です。(松本さんはじめ誰かの力がかかったのもあるでしょうが、最終的に社として山本さんを守った事実があるわけです)
また、仮に経営陣刷新により会社が良くなったとしても、それで良くなるのなら、それはそれで加藤さんの言う「機能していない会社」と同じことのようにも思えます。
会社ってその程度で変わりますかね。政治だってそうです。
部品交換で良くなるケースも確かにあるでしょうが、ちょっとしたメンテや部品修理の方が適切な場合もあるかもしれないわけで。
ましてやこの場合、人間です。「交換」で正常に戻るかどうかは甚だ疑問です。
加藤さんはどうも感情に任せて、これまでの鬱憤を晴らしているだけのように見えてならない。
それに、経営陣が辞めるか、辞めないなら俺が辞めてやる、という発言。
怒鳴りながら二者択一を迫るスタンスは、それはそれでパワハラに見えます。
吉本には大勢の社員がいて、芸人がいて、それらの家族や関係者がいる、と仰ってるわけでしょう。
なら、加藤さんが怒りに任せて吉本を退社しようものなら、その関係者やその家族たちにも同様に多大な迷惑がかかるわけです。
そして加藤さんが守ろうとしている芸人仲間、とくに渦中の宮迫さんや亮さんは、自分たちのせいで加藤さんが吉本を辞めることになってしまった、と良心の呵責に苛まれることでしょう。
このあたりどうお考えなのでしょうか。
松本さんの言動についても言及なさってました。が、今日の加藤さんのスッキリでの振る舞いは、松本さんの顔に泥を塗ったも同然です。
松本さんは、芸人としてみんなを笑わせたい・楽しませたいという一本の筋の元、極めて公平に、冷静に、今回の物事を見てらっしゃるように感じています。
宮迫さんたちを擁護するつもりはなく、過ちは過ちとして本人に認めさせ、反省させ、償わせる必要がある。
が、彼らは別段、法に触れたわけでもありません。ひとりの人間として弱いところをさらけ出してしまっただけです。
ですので、相応の償いを終えたら、また芸人として一人の人間として社会復帰させてやりたいと考えてらっしゃるのだと思います。
そしてそのスタンスは会社に対してもそうなのでしょう。
岡本社長はじめ、会社に対しても、隠ぺい・パワハラといった過ちについては、それは問題だと厳しく糾弾する。
が、これもこれで、端的に言えば会社(自身を含む)を守りたいという保身からくる人間としての弱さの露呈なわけだから、彼ら社の上層部に対しても同様に、反省させ、今後またよりよい方向へと向かっていってもらいたい。
そんな風な極めて公正なスタンスで、事の収集を図ろうとなされたのだと見ていました。
人それぞれ考え方・意見が異なるのは当たり前ですから、加藤さんが松本さんと違うアプローチをする分には構わないと思います。
が、せっかく松本さんが、怒り任せ・勢い任せでなく、関係者全員に公正に、すべてを丸く収める方法を模索するような動きを取り始めた直後に、テレビ番組という公の場で、「現状の吉本憎し」といった路線を焚きつけるかのような行動をとったのは得策ではなかったと思います。
情報番組の司会者として、ひとりの芸人として、自社を糾弾するような内容を怒鳴り散らすというのは、いかがなものかと思いました。
あれは新宿本社へ行って社内で発言すれば良い内容だと思います。
今回、岡本社長は岡本社長でひどい言動を行ったようですが、元はと言えば宮迫さんたちの虚偽報告を受け、それを信じ、きっと社として(我々一般人には見えない裏側で)方々へ奔走した。にもかかわらず、実はウソでしたとの追加報告=裏切りを受けた。
その流れからくる、ひどい対応であったということを加藤さんは忘れてはいけません。
何十年と懇意にしてきて亮さんの涙の訴えと、
何十年と腹に据えかねてきた岡本社長、
…という私情を絡ませた天秤は、正しい動きを取らないことでしょう。
芸人さんたち、吉本社、それらから発信されている内容が真実なのであれば、今のところ誰一人として、法に触れたり凶悪犯罪を行ったわけでもありません。
結果として、モラルやマナーに欠け、関係者へ多大なる心配や迷惑をかけてしまった、という程度感のものです。
過ちを認め、反省し、更生すれば許される範疇の話ではないでしょうか。
国中が叩くようなことでもないですし、所属タレントが感情的になって泣いたり怒鳴り散らしたり進退をかけたりするようなことでもないと思います。
大崎会長、岡本社長、さんまさん、松本さん、加藤さん、宮迫さん以下本件の関係芸人、ワイドショーやtwitterでああだこうだ喚き散らした芸人たち、吉本の弁護士、「今回は何色ですか?」とくだらない質問したリポーター。etc。
まっったく関係ないけど、大阪から巨人師匠あたりが出てきて、全員ビンタして終わらせてくれないかな。
僕は、
宮迫さんをまたテレビで見たい。
亮さんもまたテレビで見たい。
これからも松本さんをテレビで見たい。
これからも加藤さんをテレビで見たい。
と思ってます。
吉本芸人に楽しませてもらって生きてきた、イチ視聴者としての願いです。
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